2013年4月5日金曜日

Message from the director of Ryozen Satoyama school Mr. Hisao Seki -Japanese

English is here,

福島に想いを寄せてくださるアメリカの皆様へ 



● わたしと家族、福島の人のこと 


 私の名前は関久雄です。福島県の霊山町という山間の町で自然体験のNPOで働いています。
 いま、福島では原発事故で自然体験活動はできなくなりました。チェルノブイリでは避難、移住させられた放射線量の値の所に住んでいます。よく、 なぜ避難しないのか?と聞かれます。国も県も避難の権利を認めないので多くの人は福島に留め置かれています。仕事や生活の補償がないとなかなか出られない のです。それでも、私の妻と14歳の息子は1年たってようやく山形県の米沢に昨年の三月に自主避難しました。事故からまもなく2年になろうとしています。 行政は家の回りの除染をやって警戒地域を解除し福島への帰還を求めています。しかし、多くの子どもの甲状腺に異常な「しこり」や「のう胞」が見つかるなど 不安はぬぐい切れてません。私の娘(17)も避難をしていたにも関わらずのう胞が見つかりA2と診
 断されました。福島市の子どもの43%に見つかっています。残る人、出る人、放射能の安全、危険をめぐって意見の対立が生まれ悩ましい現状ですが、数年経てばチェルノブイリのときのように恐ろしい結果が出るかもしれません。 


● 保養事業のこと、国の政策のこと  


 そんな中、日本各地の市民が中心となって避難や保養のサポートが始まりました。私のNPOでも2011年から佐渡島において保養事業をやってき ました。これまで、他の地域への保養の送り出しも含めて13回、約200人ほどの人を保養に送り出すことができました。残念ながら、保養のサポートを申し 出てくださるところは期間が短いものが多く、できれば1ケ以上の保養を行いたいのですが、予算や学校の休みの関係で実現できていません。福島は今も放射能 が空気中に漂っていて、0ベクレルの大根を切干にして外で干していたところ3000ベクレルになったということがあります。放射能から子どもを守るために 保養に出し、のびのびと活動し、そしてそこから避難につなげる活動は意味があると考えています。こ
 れらは本当は国がやることです。しかし、昨年の12月にここ、福島県でIAEAと国が主催して「原子力の安全に関する世界閣僚会議」を開催し、 避難する必要はない、これからも安全な原発を推進していくと世界に発信しました。私たちはとうてい認めることが出来ずに抗議行動を行ないました。しかし、 状況は変わりませんでした。 


● どんな社会で暮らしたいかのビジョン  


 私たちは自分と子どもたちを守るために様々な活動を行っています。佐渡島は幸いにそれほど汚染されていない地域です。そこで保養で体を休め、なぜ原発事故が起きたのかを考え、私たちはどんな社会に暮らしていきたいのかを考えることもこのキャンプで行なっています。
 いま、大切なのはビジョンです。人と人、人と自然がともに生きられる社会にすることを学ぶ学校もいずれ作っていきたいと思っています。
 今、日本の経済は苦しいのですが、その景気を上回るために日本の経済を優先した政策を取り、原発を再稼動させ、外国に原発を売り込もうという道 に日本は進もうとしています。そのために福島の人達、多くの被爆した人達は棄民化され、見捨てられようとしています。これまでの日本は本来の助け合う心や 多くの美徳を持っていましたが、いまはそれを捨てて、「格差社会のどこが悪い」と言わんばかりの道を進んでいます。失業したとたんにホームレスになる社 会、それを、「個人の責任」とする社会、文明のあり方はおかしい。その結果が、「福島第一原発事故」を引き起こしました。原発事故で、私達はどのような社 会でどう生きたいのかが問われ、次の社会のビジョンづくりが求められているのです。 


● 支援のお願い 

 

 私は福島原発4号機のことも含め、次の危機が迫っていることを感じています。本当ならばすぐにでも家族と福島の子どもたちを安全な所に逃がした い、でも、それができないでいるのです。生活が補償されなければ福島の中で、必死になって放射能の少ない食べ物を探し、マスクをつけ、自然医学で免疫力を 高める、子どもたちを一時的でも保養にだすことをやり続けなければなりません。佐渡保養キャンプはその一つの活動なのです。 

 どうかできるところでかまいません、フクシマを助けてください。最後に私が書いた「うらやましい」という詩を送ります。福島で暮らさざるを得ない心情を綴りました。 

 私のメッセージを聞いてくださりありがとうございました。 
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「うらやましい」      関 久雄 

 
私はみなさんがうらやましいです。  

マスクをつけずに空気を吸えることが
私はうらやましいです 

家族や友人や地域の人と別れずに暮らせることが
私はうらやましいです 

普通に野菜や魚、お米が食べられ、水が蛇口から飲めることが
山や川で遊び、グランドをかけ回り、虫や犬や草や木にふれることができる 

春は山菜をいただき、冬には薪で暖をとる。 落ち葉や藁でたい肥をつくり
、自然と共に暮らしていける  「当たり前の暮らし」がうらやましい 

私はみなさんがうらやましいです。 

子どもをたった一人で見知らぬ土地に送りださなくてもいいことが
避難をめぐって、「そんなことやっこどねえ!」と言い争い、 

家族がばらばらになることがないこと、家族、友だち、ふるさとを捨てなくてもいい暮らしのあることが
でも、うらやましがっていても詮ないことです 

私と私の家族はそんな道を進んでいくしかありません。
どうか、できるところでかまいません。福島を助けてください 

そして、原発を止める動きに立ち上がってください 

なぜなら、この日本列島に暮らす限り震災は免れません 


そして原発事故に備えてください 

家具は倒れないように、ガソリンや水、食料、合羽を用意してください 

どこに逃げたらいいかを考え、線量計を用意してください。 

必ず地震は起きます。10年後かもしれないし明日かもしれません 

誰の上にも放射能は降ってきます。だから支えあう仲間とつながってください 

あなたとあなたにつながるすべての人を守るために、 

福島の教訓を生かしてください。 

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